そもそも「ブランド」がなぜ大事なのか

個人的な考えをまとめます。本書の内容についてのまとめをご覧になりたい方は下へスクロールしてください。

「ブランド力」という武器について

例えば強力なブランド力を武器とする企業としてAppleがあります。今となってはAppleという会社について改めて説明することはありませんが、Mac・iPhone等のシンプルかつ洗練された商品の展開で「最先端」・「クリエイティブ」ブランドを確立していることは確かです。同時に強気な価格設定も特徴ですが、それもこのブランド力がなせる技です。

機能的価値・合理性ではなく情緒的な価値・エモさが優位になってきた

高度経済成長時代と比べて世の中には物が溢れるようになりました。その結果 人工知能のよるブランド力。 余談だが以下に紹介する本にもこのことは言及されており、CPUメーカーのインテルがその例として挙げられていた。

SNSが生み出したトレンド

マス的な価値観が細分化されていったという流れがあります。この流れが個人による小さなブランドの台頭が起こります。例えば現在の例でいうとYoutuberやタレントがアパレルブランドを立ち上げたり、スタートアップ界隈ではD2Cビジネスが多く興されています。

本書を知った経緯と内容のまとめ

IT系のビジネスを展開されている方を中心にツイッターをフォローしているのですが、TLのなかで著名な投資家である手嶋さんが本書を紹介しており、読むことにしました

以下内容のまとめになりますがその前に、本書の前書きで印象的な文章がいくつかあったので、引用する形で紹介します。

コンテクスト・ブランディングについての前書き

コンテクスト・ブランディングの大きな特徴は目に見えないブランドの価値をコンテクストによって表現し、構造化することである。その結果ブランドは可視化し、取り扱えるようになる。

引用: ブランド構成シナリオ -コンテクスト・ブランディング- 前書き

要するに、複雑怪奇に思えるブランドをコンテクストという暗黙知的な知識に注目したアプローチによって構造化し、理解を試みようとしているのが本書だ。と僕は理解した。

「コンテキストブランディング」とは

つまり、ブランドは文脈を蓄える器であり、その価値を高めるには豊かで効果的な文脈を持たせてやらねばならないのである。

その説明は以上の言葉で締められている。もう少し説明するとまず商品とブランドが別ものと認識され、ブランドに関する文脈(コンテクスト)がユーザーの心の中に蓄積されていく。(例えばAppleで言えば「スティーブ・ジョブズというカリスマ的創業者がたった一代で世界的企業へと成長させた」みたいなストーリーが多くの人々の知るところとなっている。みたいなことだろう)このブランド知識が十分に知れ渡った時商品の価値を増減させる力を持つブランドとしての価値を持つようになるということらしい。

ブランドの特殊性とその4分類

どんなに曖昧でとらえどころがないと思われるものでも〜〜「分ける」は「分かる」ための第一歩だ。一旦構成要素に分け、よく理解した上で再統合すれば、分かるようになる。

引用: ブランド構成シナリオ -コンテクスト・ブランディング- 前書き

とある通りまずは分解して考えて行くようです。当時の世界史の先生が口酸っぱく言っていた、「困難は分割せよ」という言葉が思い出されます。笑
話を戻してまずは一見捉えどころのないように見えるブランドの特殊性はの4つに分類できるとのこと。順次解説していきます。

  • 「無形性」
  • 「間接性」
  • 「多層性」
  • 「関係性」

分類1. 無形性

有形である商品の価値に加えて、人々の中に蓄積されるブランド知識が無形であるがブランド価値を決定付ける大きな要因にもなっている。

分類2. 間接性

ユーザーからの評価を得て初めてブランド価値は発生する。よってブランドの所在は法的な所有者である企業ではなくユーザーの心の中にあると言える。である以上、ブランド価値を増減させるにはそのユーザーに働きかけるという間接的な方法しかない

分類3. 多層性

ブランドは機能的なベネフィットだけではなく、心地の良い情緒や自己表現を演出するなど質的に異なるベネフィットを多層的に持ちうる

分類4. 関係性

マスターブランドに対するサブブランド(例えばNikeに対するNIKE Skateboarding)に見えるようにブランドは関係性を通じて理解可能であるかつ、関係性を利用して拡張可能である

ブランドの特殊性に起因する課題感

「ブランドは無形で直接感じることができず、多層的な価値と複雑な関係性を持つ」故に捉えどころがない漠然としたイメージと考えられがちである

この課題を「コンテキストブランディング」というアプローチから解決する

コンテキスト・ブランディングの3要諦

上記の課題に対し、コンテキスト・ブランディングでは以下に説明するようなアプローチによって解決を試みる。ポイントはこの3つです。順次解説します。 「効果的にユーザーと理想的なコンテクストを共有するためのポイント」として読み替えても良いかと思います。

  • コンテクストの可視化によるコミュニケーションモデルのデザイン
  • メッセージとコンテクストを統合した戦略シナリオ作り
  • 個別コミュニケーションの戦略的体系化によるブランディング

1. コンテクストの可視化によるコミュニケーションモデルのデザイン

連想ネットワーク(目には見えないブランド知識をコンテクストとして可視化したもの)によって、コミュニケーションモデルをデザインする。

狙い

連想ネットワーク(「サッカー」→「W杯」→「世界」のように言語化された概念をつなぎ合わせることで作られる)を作っていくことで、意識の深層にある暗黙的な知識の洞察、および顕在化が期待できる。

2. メッセージとコンテクストを統合した戦略シナリオ

伝えたいことだけをメッセージにして発信しても伝わりにくい。そこでメッセージとコンテクストの統合、すなわちメッセージの意味解釈に必要なコンテクストをメッセージの中に計画的に組み込む。

狙い

意識的に戦略を立てることで、連想ネットワーク上で繋がって欲しくないコンテクストからはユーザーを遠ざけ、繋がって欲しいコンテクストには近づける

3. 個別コミュニケーションの戦略的体系化によるブランディング

  • 説得達成の相
    • 送り手が受け手に何らかの影響を与える為に行われるコミュニケーション
  • リアリティ形成の相
    • 両者間で、経験や知識を共有しリアリティの形成を試みるコミュニケーション
  • 情報環境形成の相
    • 意図しないまま伝わってしまう部分のコミュニケーション

以上のコミュニケーションにおける三つの相を戦略的に統合し、それを元に一貫したブランディングを行う。

狙い

第一の「説得達成の相」に偏りすぎていた従来のブランドコミュニケーションを見直し、コミュニケーションにおける他の二つの相も体系化することでより効果的なユーザーとのコンテクストの共有を目指す。

おまけ 〜単語の詳解〜 ()

次の記事に関連する内容になっています。

ブランド知識についてとその創造プロセス

「表象」

新しいインプットがあった時は知識ベースから意味づけがされ、記憶される。意味づけができない場合は不可解なものとして記憶される。インプットされた情報は文脈情報(記憶した状況についての情報)の力を借りて思考操作可能に再構成されたものが「表象」

「スキーマ」

知識ベースにはたくさんの知識が蓄えられているが、その中でも強固に構造化された知識は「スキーマ」と呼ばれる。

ブランド・イメージについてとその2分類

  1. 表象として現れる形式知的なイメージ
  2. 表象には現れない暗黙知的なイメージ

一概に「イメージ」といえども、以上の二種類がある。

ブランド・アイデンティティ(自己イメージ)

  • 自己の表象から深層まで多層的に形成されうる
  • 何らかの基準で顧客に高く評価されることを前提としている以上、自己イメージでもありつつも顧客や競合などの他者に規定される側面も合わせ持つ。

コンテクスト

イメージとインプット情報の結合を促すもの。

こちらはコンテキストブランディングの枠組みについてをまとめたものになります。